金色のガッシュベルのカイルとレインから 臆病ぼっちを考える
アニメ#113~115です。
臆病で自分の気持ちをうまく話せないカイルを、レインがどうにかしようとガッシュに助けを求めるお話ですね。
(i)レイン視点
①カイルに強く当たるジルからカイルを守ろうとする
②ガッシュとともにハードルを下げて挑戦させることを試みる
③自分のせいで甘えているのではと懸念する
④かつてガッシュがレインにしたように、本気をぶつける
①の段階では表面的な手助けをし、現状維持。
②で自信をつけさせようとするも、うまくいかず。
そこで③へと至るのですが、カイルはレインの本を奪って走ってしまいます。
なぜ②がうまくいかず、そしてレインの本を奪ったのか。
それは臆病の原因が経験がないからではなかったから、
そしてカイルはレインが消えても何も解決しないと思ったからだと思います。
僕は、カイルとレインの関係が、千年前の魔物と月の石のような関係になっていたのではないかと思います。
恐怖に怯える者と恐怖を消し去る者。
千年前の魔物に関しては、石化するという恐怖はまやかしでありましたが、カイルの恐怖はそうではありません。
孤独で、人を信じられず、臆病はそれによる副産物ではないかと。
性格や育った環境によるものでしょうが、そこが一番の根幹だと思うのです。
④でレインがカイルを信頼すること、助けたいということを必死に示し、カイルがそれに応えるという流れになります。
いわば体を張ったコミュニケーションによって二人の心が通じあったわけです。
その後レインが消えることができたのは、カイルはもう人を信じることができると思ったからだと思います。
(ii)カイル視点
千年前の魔物のように、基本的には恐怖から逃れることに精一杯になってます。
その中でレインを純粋な心で助けたり、普段のレインの恩に応えようという思いもあり、レインからの信頼はある程度得られていました。
そういった態度がないと誰かが助けてくれるというのは中々ないのかなと思います。
このお話に近いのが#6の入院の回だと思うのですが、そこに出てくる勇太君が不人気なのは、その態度の違いが大きいと思うのです。(ガッシュの優しさの由縁が、いい人を救うのではなく苦しんでる人に共感するのだということも伺えます。)
最後のシーンで、カイルはジルに対してやはり自信が出ませんが、レインへの誇りから自分の心の内をぶつけます。
他人を介して自分の弱さを乗り越えました。
少し似たシーンだと思うのが、#5の「いいではないか!」とガッシュが清麿に思いをぶつけるところです。
どちらも心のエネルギーが自分の気持ちを伝える恐怖に勝った結果だと思います。
それ以上に、アドラーを調べて思ったのですが、自分に価値があると思えたから勇気が出せたというのが大きそうですね。
解釈はいろいろあると思いますが、自分と同じ方向を向いてくれる人のおかげで勇気を出せたのだと思います。